Creative Studio Fe56+

自然農、登山、旅、制作を通して、新しい表現を探求しています。


ロンドン1日目|境界を越えて、人の時間に触れる


はじめに

羽田空港の夜。
まだ日本にいるはずなのに、
もう戻れない時間が始まっていた。

今回の旅は、
何かを得るためというよりも、
自分の感覚を確かめるためのもの。

その最初の1日が始まった。

ヒースロー到着|流れに乗る

ヒースロー空港に到着して、まずやったことは
「考える」ことではなく、「流れに乗る」ことだった。

人の流れに合わせて歩く。
日本人らしき人の後をついていく。

そうして進んでいくと、出国手続きの場所にたどり着いた。

ゲートは日本の国旗が表示されている場所を選んだ。
待ち時間もなく、スムーズに進む。

ただ、パスポートの読み取りでエラーが出た。

何度か試しても通らない。
係員を呼んで再度トライする。

「グラス」と聞こえた。

メガネを外すと、通った。

一瞬焦ったが、無事入国することができた。
驚くほどスムーズだった。

ロンドンへの移動|確認しながら進む

荷物も10分ほどで受け取ることができた。

そのまま出口へ進んだが、
チケットと荷物の照合がなく、少し不安になる。

エクスプレスの乗り場を探す。

案内表示が分かりづらく、
本当に合っているのか不安になる。

途中、係員にチケットを見せて確認しながら進む。

5分ほど待つと列車が来た。
事前に見ていた写真と一致していたので、確信して乗ることができた。

Paddington駅に到着。

大きな駅で、
ここで少しだけ気持ちに余裕が出てきた。

地下鉄と街|ロンドンに入る

そこから地下鉄へ。

Googleマップを使いながら進む。
切符を買う必要もなく、クレジットカードでそのまま乗れる。

朝の通勤時間と重なり、車内は満員だった。

その中で、「どうぞお先に」(英語でそんな感じ)と声をかけてくれた人がいた。
その一言で、この街の印象が決まった気がした。

Piccadilly Circusで下車。
予定通り8:50にホテルに到着し、荷物を預けることができた。

大英博物館まで|余白の時間

ホテルから大英博物館までは徒歩20分ほど。

近づくにつれて人が増え、
予約していないことに不安を感じる。

ラッセルスクエアのベンチに座り、
その場で予約を取ることにした。

最短は11:40。

時間ができた。

この余白を使って、
サー・ジョン・ソーンズ美術館へ向かう。

個人の邸宅にコレクションが並ぶような空間。
部屋は広くないが、密度が高く、
絵画・彫刻・建築などが混在している。

ここで初めて「観る側」に切り替わった気がした。

大英博物館|人の時間を見る

11:40から16:00まで滞在。

特に印象に残ったのはオリエント文明の展示だった。

壁画の浮き彫りの繊細さに驚く。

ロゼッタストーンも見た。

文字は刻まれていると思っていたが、
実際には浮き彫りになっていた。

ここで感じたのは、
この場所はモノを展示しているのではなく、
「人間の時間」を並べている場所だということだった。

ロンドンの印象|街の呼吸

ロンドンの街は、
思っていたよりも落ち着いていた。

人で溢れているわけでもなく、
せかせかしていない。

親切で、危険な感じもない。
すぐに馴染めた。

天気も印象的だった。

曇り空。
突然の雨。
そして、雲の隙間から差し込む光。

一度街が洗い流され、
光で再構築されるような感覚。

古い建物と街路樹の緑、
そこにロンドンバスの赤が差し込まれる。

そのコントラストが美しかった。

食と現実|判断する

昼食をどうするか迷った。

どの店も円安の関係で高く感じる。
日本の2倍くらい。

結局、昼は食べなかった。

夜も中華街に行こうと思ったが、決めきれない。

最終的にスーパーへ。

サンドウィッチ、パスタ、ビール、ワインを購入。

瓶ビールを選んだが、栓抜きがない。
(缶ビールよりちょっと安い)

店員に聞くが、無いと言われる。

諦めかけたとき、
お土産屋で見たキーホルダーを思い出した。

あれに栓抜きがついていた。

些細なことだが、この閃きがうれしかった。

ホテル|1日の終わり

ホテルに戻り、チェックイン。

タブレット入力に少し手間取るが、なんとか完了。

エレベーターでカプセルフロアへ
初めてすれ違ったのが女性で一瞬戸惑うが、
(日本では、男女で階が違う)
特に注意されることもなかったので、そのまま自分のカプセルへ。
(その後、男性客ともすれ違ったので安心した)

ようやく落ち着く。

ビールを開けて飲む。

いつも飲んでいるアサヒスーパードライが、
無事にここまでたどり着けた安心感と、
ちょっとした達成感で格別なものとなった。

おわりに

この日は、8時間(時差で)長い1日だった。

でもそれは、疲れというよりも密度だった。

流れに乗る。
迷う。
確認する。
判断する。
閃く。

やっていることは、制作と同じだった。

ロンドンを見ているつもりだったが、
実際には、自分がどう動くかを試されていた1日だった。


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