Creative Studio Fe56+

自然農、登山、旅、制作を通して、新しい表現を探求しています。


【ロンドン2日目】


人が積み重ねてきた「構造」を歩く一日

■ 朝のロンドンを歩く

ピカデリー・サーカス近くのホテルを出て、
セント・ジェームズ・パークを抜け、バッキンガム宮殿へ向かった。

静かな水辺と、ゆっくりとした時間。
木の上にはリスがいて、すぐそばには衛兵が立っている。

同じ場所に、自然と国家の象徴が共存していることに、
ロンドンらしさを感じた。

さらにグリーンパーク、ハイド・パークと歩き続ける。

「歩く」という行為そのものが、
この街を理解するための手段のように思えた。 

■ 科学と人間の積み重ね

科学博物館、自然史博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館を巡る。

人はものを作り、工夫を重ね、文明を築いてきた。
その緻密さと粘り強さ、試行錯誤の連続を、
この一日で体感することができた。

それは個人の力ではなく、
過去からの繋がりの中で発展してきたものだった。

石を削って道具を作るところから始まり、
人はついに月へ向かうところまで来ている。

さらに思考は人工知能に広がり、
遺伝子の仕組みまで解明しようとしている。

知識としては知っていたはずのことが、
目の前に現れることで、初めて実感として理解できた。 

■ 子供の頃の記憶と重なる瞬間

自然史博物館に入った瞬間、
不思議な感覚に包まれた。

子供の頃、NHKの特集で見た、
あの広い空間と骨格標本。

目の前に現れたクジラの骨を見上げたとき、
過去の記憶と今の体験が重なった。

歴史ある建物の空気と、
記憶の中の映像が繋がった瞬間、鳥肌が立った。

「来てよかった」と、
はっきりと思えた瞬間だった。 

■ 小さな挑戦

昼、カフェで注文をした。

日本では当たり前にできること。
でも、言葉が通じない環境では、
それが急に難しい行為になる。

自分の伝えたいことが、
ちゃんと伝わるのかという不安。

それでも、勇気を出して言葉にする。

ほんの小さな出来事だったが、
自分の意思を外に出せたことに、
確かな手応えを感じた。 

■ ルーシー・リーとハンス・コパー

ヴィクトリア&アルバート博物館では、
ルーシー・リーのアトリエ再現展示を見ることができた。

本来行きたかった実際の場所は公開されていなかったが、
こうして別の形で触れることができた。

実物の作品を目の前にすると、
写真では分からなかった緊張感が伝わってくる。

繊細で、どこか弱さを感じる形の中に、
確かな強さが存在していた。

一方、ハンス・コパーの作品は、
素朴で、艶のない白。

その静けさに、改めて惹かれるものがあった。 

■ この日のまとめ

この日見たものは、すべて繋がっていた。

自然
構造
技術
そして人の営み

それらは断絶しているのではなく、
連続した流れの中にある。

過去の積み重ねが、今をつくり、
今がまた未来へと繋がっていく。

その流れを、身体で感じることができた一日だった。

■ あとがき

旅はまだ2日目。

それでも、この一日だけで、
十分すぎるほどの密度があった。

ロンドンという街は、
ただ観光する場所ではなく、
「時間を体験する場所」なのかもしれない。


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